不動産登記は、土地や建物の所在、面積等の物理的な状況や、所有権などの権利を登記簿に記載して公示することで、国民の不動産取引に関する重要な制度となります。
購入及び売却による名義変更の
必要な手続きと書類
不動産の購入及び売却すなわち売買契約においては、当事者の意思表示だけでその効力が生じるものであり、売主の「売りました」買主の「買いました」という意思の合致があれば、所有権は売主から買主に移転します。
しかし、不動産の権利については「登記」をして世間一般に「公示」をしないと当事者以外の人(第三者といいます)に対して「自分が所有者である」ということを主張できません。
無用なトラブルを避けるためにも売主から買主への所有権移転登記手続きを行いましょう。
買主
- 住民票
- 印鑑
※ ケースにより必要書類が変わる場合があります。
売主
- 登記識別情報または登記済権利証
- 印鑑証明書(3カ月以内のもの)
-
御実印
※登記簿上の住所と印鑑証明書の住所が異なる場合住所の変更の登記が必要となり、住民票又は住居表示実施証明が必要です。その他、ケースにより必要書類が変わる場合があります。 - 印鑑
家を新築したときは、土地家屋調査士による表題登記を行います。
その後、司法書士により所有権保存登記を行います。
前述の所有権移転登記と同様に所有権保存登記を行なわなければ第三者に対して「自分が所有者である」ということを主張できません。
- 住民票
- 印鑑
※ ケースにより必要書類が変わる場合があります。
抵当権を設定する
抵当権を設定するとは、例えば住宅ローンを利用したりお金の貸し借りをした時にそのお金の返済をより確実にするために、お金を借りた人の持っている不動産を担保に入れる(登記をする)ことを言います。
債権者(お金を貸した人)として、不動産を担保に取ったことを他人に主張するためには登記することが必要になります。
原則としまして、
- 抵当権設定契約書
- 債務者(お金を借りた人)の権利書または登記識別情報通知
- 債務者(お金を借りた人)の印鑑証明書
- 債務者(お金を借りた人)のご実印
以上が必要となります。
但し、ケースにより、又はお金を貸す側借りる側が個人か法人かによって必要書類が異なる場合があります。
抵当権を抹消する
抵当権を抹消するとは、例えば借金の返済を終えた時に自分の所有する不動産につけられている担保の登記を消すことを言います。
通常は住宅ローンの返済が終わった時に抵当権を抹消するというケースが一番多いと思いますが、ローンの返済が終わっても勝手に抵当権が抹消されるということはありません。自分で法務局に対し抹消登記申請をするか、司法書士に依頼して抹消登記手続きをしてもらう必要があります。
抹消登記は、いつまでにしなければならないという制限はありませんが、担保をつけていた銀行等から預かる抹消登記に必要な書類の中には使用期限のあるものが含まれていることが多いので、抹消手続きがあまり遅れると必要書類を再度もらい直しになったり、新たな手続きが発生したりとかえって煩雑になる場合があります。
早めにお手続きされることをお勧めします。
原則としまして、銀行等から受け取る書類一式、つまり
- 抵当権設定登記済証または登記識別情報通知
- 登記原因証明情報(抵当権解除証書など)
- 登記委任状
以上が必要となります。
但し、これもケースにより他の書類が必要になる場合があります。
贈与によって土地や建物などの不動産を取得した場合に自分がその所有者であることを他人に主張するためには、法務局でその旨の登記をする必要があります。第三者に対抗するためにも、登記手続きを早めに行うことをお勧めします。
親子間で贈与をするケースが一番多いと思われますが、親子であるからという理由で契約書は作成しないという方もいらっしゃいますが、税金の申告、贈与日付や内容をはっきりさせるためにも、しっかり契約書を作成してお手続きされることをお勧めします。
贈与者側(あげる側)
- 権利証または登記識別情報通知
- 印鑑証明書
- 住民票(不動産登記簿の住所と現在の住所が異なっている場合)
- 贈与する物件の固定資産税評価証明書
受贈者側(もらう側)
- 贈与契約書
- 住民票
- 印鑑(認印でも可)
以上が必要となります。
但し、やはりこれもケースにより他の書類が必要になる場合があります。
令和8年4月1日から、所有権の登記名義人に対し、引越しにより住所を変更した場合や、結婚等により氏名を変更した場合は、住所や氏名等の変更の日から2年以内にその変更登記を申請することを義務付けられることとなります。もし、正当な理由なく義務に違反した場合は、5万円以下の過料の適用対象となります。尚、令和8年4月1日より以前に、住所や氏名等の変更が発生していたケースについても、2年の猶予期間がありますが、義務化の対象となります。よって、令和10年3月31日までに変更登記をする必要があります。
- 住民票
- 印鑑
※ケースにより必要書類が変わる場合があります。
- 戸籍(全部事項証明書)
- 住民票
- 印鑑
※ケースにより必要書類が変わる場合があります。